膝の痛みの原因を特定しよう|外側/内側が痛いときのストレッチ
はじめまして!富山県富山市にあるトレーニングジムを併設した接骨院、「けんとれ接骨院」院長の山崎けんとです!
このけんとれ通信では、学校の部活やスポーツクラブで頻繁に運動する学生さんや、身体の不調に悩む大人の方に向けて、身体や症状に関する正しい知識と対処法についてお伝えしています。
目次
この記事のまとめ
- まずはどんな動作の時に膝が痛むのかを確認してください
- 外側と内側、痛い方に合わせたストレッチを行いましょう
- 治療が必要な症状か不安な方、まずはご相談ください
この記事では、当院でもご相談が多く、腰痛に次いで多くの方が悩んでいる「膝の痛み」についてお話します。
膝には立ったり歩いたりするときに大きな力が加わるため、膝に痛みがあるとさまざまな動作がしにくくなり、運動不足につながり健康を損なう可能性があります。また、膝に痛みを感じる方は年齢とともに増加していきます。
症状によっては、自分だけでは治しきれないものも少なくないため、この記事で痛みの特徴を把握して、ぜひ当院やお近くの接骨院、病院に行き、専門家の診断を受けましょう。膝の痛みを改善するためには、原因を知り適切な治療を受けることが大切です。
膝がどんな時に痛むのか、原因をさぐっていきましょう
膝の痛みの原因や症状は、人によって異なっています。膝の骨に問題がある場合、筋肉に問題がある場合、靭帯に問題がある場合などが考えられます。
原因を探る際に最も大切なことは、本当に膝が原因で膝に痛みが出ているのかを見極めることです。
- 他の部分の関連痛として2次的に痛みが出ているのか?
- またその痛みは過去の既往歴(ケガ)などから発生しているのか?
- 単純に筋肉が固まって連動性が損なわれているのか
など、膝が直接の原因でなくとも痛みがでることがあります。
けんとれ接骨院での膝のチェック方法
けんとれ接骨院では、
- つま先を正面に向け、そのまましゃがむ
- 正座
- 膝に体重をかける
この3つがすべてできた場合、膝の異常はあまりないと診断します。
もしこれらができない場合、他の部位や筋肉が関係して痛みが発生している可能性がありますので、ぜひご来院していただきたいです。
上記の動作で痛みがあった場合、膝が原因である可能性が高いため、その他の動作で痛みの原因を推測していきましょう。自分がどのような動作をしたときに、膝が痛むのか知ることで、専門家が適切な治療法を見つけるヒントになります。ひとりでは症状や原因を完全に特定することは難しいため、専門家に相談して診断を受けてください。
原因をさぐる手始めに、痛みを感じる動作ごとに、考えられる原因をご紹介します。読みながら自分の状態と照らし合わせてみてください。
「歩くと痛む」ケース
歩くとき、膝には大きな負荷がかかっています。このときに骨同士が擦り合わないようなクッションの役割をしているのが膝軟骨です。歩くと痛いケースではこの膝軟骨に問題が起きている可能性があります。
膝軟骨がすり減ってしまうと、骨同士が擦れてしまい歩くと痛みを感じるようになります。また、症状が進むと立ち上がるだけで、痛みを感じるようになる場合もあるようです。
軟骨や骨の異常が原因の膝痛で最も多くの方が困っているのが、変形性膝関節症。国内で1000万人以上の人が発症しているという報告もあるほど、多くの人が困っている疾患です。
「曲げると痛む」ケース
膝を曲げると痛むという場合、半月板などに異常がある可能性があります。
半月板は、大腿骨と脛骨の間に1枚ずつあり、膝にかかる衝撃を減らすばかりではなく、膝関節を動かしたときに、膝関節を安定させたり、動きをスムーズにしたりする役割があります。
半月板が損傷すると、膝を曲げ伸ばしするときに痛みや引っ掛かりを感じるようになります。
また、靭帯と骨との関係に異常がある可能性もあります。腸脛靭帯炎は、膝を曲げ伸ばししたときに腸脛靭帯が大腿骨外側上顆と擦れることで痛みが現れる疾患です。 筋肉系では、太ももの裏にあるハムストリングに異常がある可能性もあります。
「伸ばすと痛む」ケース
膝を伸ばすと痛む場合は、半月板損傷や腸脛靭帯炎だけではなく、大腿四頭筋に問題がある可能性が考えられます。
大腿四頭筋は太ももの筋肉で、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋の4つの筋肉から構成され、膝を伸ばすのに働く筋肉です。
大腿四頭筋に問題があると、膝を伸ばすときに痛みを感じたり、膝関節にかかる負担が大きくなり膝関節に障害が発生したりする可能性があります。
また、大腿四頭筋自体には問題がなくても、オスグッドのように大腿四頭筋が関係している障害の可能性もあります。
膝の痛む箇所によって対処法が変わる
膝の痛む箇所によって、その症状を改善するための対処法が異なります。不適切な対処法は、逆に症状を悪化させてしまう可能性があるのです。そうならないために、まずはどの部分が痛むのかを知りましょう。
ここでは、痛みを感じる箇所に応じた自宅でもできるストレッチをご紹介します。
ストレッチするとき、無理をせずに膝に痛みを感じない範囲で行ってください。痛みを感じるようなストレッチは、症状を悪化させる可能性があるため避けましょう。
外側が痛いケース
膝の外側が痛くなるケースで考えられるのが、腸脛靭帯の異常です。腸脛靭帯は、太ももの外側を走り、激しい動作をするときに腰と膝を安定させる役割を担っています。
腸脛靭帯炎は、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆と擦れ合って炎症が起こり痛みを発症する疾患です。
膝の外側に痛みがあるケースでは、腸脛靭帯の柔軟性の低下が考えられるため、それの改善が期待できるストレッチをすると良いでしょう。
腸脛靭帯の柔軟性の向上が期待できるストレッチを2つご紹介します。
外側に痛みがある人にやってほしいストレッチ
外側に痛みが出ている場合、セルフストレッチで直接外側にアプローチすることは難しいです。そのため、セルフストレッチでは、患部の上のお尻の部分(大殿筋や中殿筋)をストレッチしたほうが効果を期待できます。
お尻の筋肉のストレッチは以下を参考にしてください。
1~3は脚の形が同じなので、それぞれの体勢によって選んでください。
1.床に座っている状態
脚を反対側の脚の膝上に引っ掛けて座り、胸を貼った状態でももとへそを近づけます。
2. 床に寝ている状態
1を床で寝ている状態で行います。その際、引っ掛けていない方のももを腕で引き寄せるとやりやすいです
3. 椅子に座っている状態
1を椅子に座った状態で行います。身体を前に倒して脚を身体に近づけます。
4. 床に座っている状態
脚を開き、両脚を同じ方向に倒します。(脚の外側が床についている方に身体をひねる形です)。この状態で胸を張り前足の膝に胸を近づけます。
内側が痛いケース
膝の内側が痛いケースは、内転筋群の緊張が痛みの原因であることが多いです。
その場合は、内転筋が、
- 骨盤の腸腰筋が強く緊張することで症状が出ているのか
- 足関節のズレからきているのか
- 殿筋群が緊張して内側と外側のバランスが崩れているのか
を問診や施術で判断する必要があります。
また、変形性膝関節症も考えられますが、太ももの後ろのハムストリングスと呼ばれる筋肉の柔軟性の低下も考えられます。
ハムストリングスは、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋からなり、膝関節を曲げるときに働く筋肉です。ハムストリングスの柔軟性が低下すると、膝を曲げたときに内側に痛みを感じることがあります。
基本的に、内側と外側の筋肉の緊張状態が1対1で同じであることが理想とされていて、どこかが緩かったり、緊張が強いと痛みの原因になりやすいです。
つぎは、変形性膝関節症の症状の緩和とハムストリングスの柔軟性の向上が期待できるストレッチをひとつずつご紹介します。
内側に痛みがある人にやってほしいストレッチ
変形性膝関節症の症状緩和が期待できるストレッチ
椅子に座って、ストレッチしたい方の足をあげて出来るだけまっすぐに伸ばし、その状態で10秒キープします。痛くてまっすぐ伸ばせない方は、痛みを感じない範囲で伸ばしてください。これを20セット行います。
ハムストリングの柔軟性向上が期待できるストレッチ①
まず仰向けに寝てください。その後、ストレッチしたい方の足の太ももの裏に手を添えて、ゆっくり胸の方に引き付けてください。引き付けた膝をゆっくり戻してください。これを20セット行います。
このとき、ハムストリングを伸ばしているイメージを持ってください。
ハムストリングの柔軟性向上が期待できるストレッチ②
ハムストリングを伸ばすストレッチとしてジャックナイフというストレッチもご紹介します。
足首掴み、お腹と太ももを離さないようにお尻をあげます。 この時、お腹と太ももが必ず離れないように注意してください。
さらにストレッチ感が欲しい場合、2枚目の写真のように頭を丸めて後ろを覗きこむようにするとより効果的です。
あなたの膝の痛み、治療が必要な症状かも?
膝の痛みの中には、症状を改善するために治療が必要なものがあるのでご紹介します。
どのような疾患も早期発見、早期治療をした方が症状を改善しやすいです。疾患の中には放置しておくと、外科的な処置をしなければいけないものもあります。
しかし、おひとりで自分の膝の痛みがどのような疾患であるのかを判断することは、難しいでしょう。
少しでも膝に痛みを感じた方は、おひとりで悩まずにお気軽に当院にご相談してくださいませ。患者さまの症状に合った適切な処置をいたします。
腸頸靭帯炎/ランナーズニー
腸脛靭帯炎はランナーズニーとも呼ばれていて、マラソンランナーや長距離選手などにみられることが多い慢性的な障害です。
主な症状は、運動をしている最中に膝の外側が痛むことです。また、大腿骨外側上顆を押すと痛みを感じる方もいるようです。症状が進行すると、運動中だけではなく運動後にも痛みを感じるようになり、さらに重症になると、常に膝が痛み日常生活に支障をきたすようになることもあります。
痛みの原因は、
- 膝の筋肉がバランスよく作動せずに連動性がない状態
- インナーマッスルが弱く、大腿外側部などのアウターマッスルばかりに頼ってしまい過度に負担がかかっている状態
によって、膝の曲げ伸ばしをしたときに腸脛靭帯が大腿骨外側上顆という出っ張りと擦れて、炎症を引き起こすためです。
外にかかる重さや力を内側の筋肉や腹筋で支えることができれば、本来は外側部へそんなに強く負担がかからず痛みがでることはありません。
治療は、ランニングフォームの改善やインソールの利用などの保存療法が基本で、外科的な手術をすることはほとんどありません。
しかし、一旦症状が出てしまったらセルフストレッチ等での改善はほぼ無理と考えてください。接骨院での施術に合わせて弱い部分の筋力アップと正しいトレーニング指導が不可欠です。
腸脛靭帯炎・ランナーズニーについて詳しく解説している記事がありますので、もし自分に当てはまる症状があった場合、ぜひ読んでみてください。
オスグッド
オスグッドは10~15歳の成長期の男児によくみられる膝痛です。発症する方の90%以上がスポーツをしているという報告があるためスポーツ疾患と考えられています。
主な症状は、運動中の脛骨粗面の痛みです。脛骨粗面の圧痛や熱、腫脹をうったえる方もいます。痛みは運動を数日間やめると消えることが多いですが、再開するとまた痛み始めます。
痛みの原因は、膝の使い過ぎで、運動中に大腿四頭筋が成長途中で柔らかい脛骨粗面を引っ張るため 、痛み感じるようになるのです。症状が進むと、軟骨部分が剥がれてしまいます。
大腿四頭筋の緊張状態を探る方法として、膝の皿をつまんで動かしてみます。その際に、膝の皿が動けば、大腿四頭筋の緊張状態は問題ありません。もし動かなかった場合、こちらが痛みの原因と考えられます。
治療は、ストレッチやテーピングなどの保存療法から始めます。保存療法を行っても日常生活に支障が出るほどの痛みがある方は、外科手術で遊離した軟骨を除去することもあります。
オスグッド について詳しく解説している記事がありますので、もし自分に当てはまる症状があった場合、ぜひ読んでみてください。
変形性膝関節症
膝の痛みの原因で最も多いのが、変形性膝関節症です。軟骨が摩耗して、炎症が起こって膝痛が現れる疾患です。症状が進むと軟骨だけではなく骨が変形し、歩行が困難になることもあります。
主な症状は、立ち上がるときや歩いているときの膝の痛みです。初期は、少し休めば膝の痛みはなくなりますが、進行すると痛みが引かず、膝に熱をもったり腫れたり、水が溜まることもあります。重症化すると、骨の変形が外から見てもわかるようになり、膝の痛みで日常生活に支障をきたすようになる方もいるようです。
原因は、加齢や肥満や体形などによる膝関節への負担 による、軟骨の摩耗です。特に加齢によって筋肉が減少し、体重を支えられなくなってきているケースが最もよくみられるものです。
例外として、関節内に骨棘というトゲがあってこすれて痛みが発生している場合もあります。
治療は、症状と進行を抑えるための保存療法から始めますが、早々に筋トレや運動療法で筋肉量を増加しない限り、回復は見込めません。 上記をしても、日常生活に支障をきたすほど膝が痛い方は、外科的治療を行います。
変形性膝関節症について詳しく解説している記事がありますので、もし自分に当てはまる症状があった場合、ぜひ読んでみてください。
富山市にあるけんとれ接骨院は、「治療を必要としない身体づくり」をサポートします
これまで、症状の再発や慢性化に悩んだことはありませんか?
当院でも、
- 「一度治ったけど、また痛みが出てきた」
- 「通い続けているけど、治らなくて諦めている」
といった声を頂戴することがあります。
けんとれ接骨院は、そういった患者さまの声に応えるために「接骨院」と「トレーニングジム」を富山市に併設してつくりました。
けんとれ接骨院が目指す「治療を必要としない健康な身体」をつくるために、あなたに一番必要な治療法とセミパーソナルトレーニングを組み合わせ、再発しない身体づくりをご提案させていただいています。
ぜひ、ご自分の身体や症状にあったプランのために、ご相談にいらしてください!
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